小学6年生。中学の準備についてのお話⑤
2023/02/25
はい。中田です。
先日、ついに今年の公立高校入試本番を迎えまして、結果の発表はもう少し先になるのですがひとまず一つ区切りがついた想いです。もちろん出来ることなら受験生全員が合格することが望ましいですし、私もそうなることを祈っていますが、高校入試で人生が決まるなんてことは絶対にありませんし、ここで合格していたとしても慢心などせず努力を続けてほしいですね。逆に、落ちていた人もむしろそれを糧にしてこれからの3年に繋げていけるといいでしょう。大学受験も見てきた身としては、高校入試で落ちていたことを糧に出来た子は大学入試の際に土壇場で踏ん張れるメンタルがある子が多い印象もあるんですよね。勝因は何かということと敗因は何かをということは等しく大事です。分析して対策して、自身の成長に繋げていけるといいですね。
さて。今回も新中学1年生の話になりますが、ちょうど受験が終わったところでもありますし今日は教科的な話ではなくメンタル的な話をしてみたいと思います。
突然ですが。ゲームって楽しいですよね。でも、そうでもない人も居ますよね。
同様に、スポーツというのも楽しいですよね。でも、そうでもない人も居ます。
勉強が好きという子も居ますよね。でも、多くの子は好きでないことが多いです。
これはどうしてなんでしょうか?
……実をいうと。小学校1年生くらいの頃の私はゲームがあまり好きじゃありませんでした。私の親は色々なことに興味を持つべきということで色々な経験をさせてくれまして、その中にゲームもあったわけですが。なんていうか
当時のクソゲー一歩手前のゲームをちゃんと上手にできないと
毎回ドヤされた挙句に罵倒されるのが、楽しいわけないですよね。
では、なぜゲームが好きになったのか。それを考えると思い当たることが3つあります。
①友人に「ゲームが上手だ」と言われたから
②友人とゲームで対戦して勝ったのが気持ちよかったから
③上記2つにより自信を持ったから
どれが原因なのかはイマイチ不明ですが、これは要するに
上手になる→勝つ(成功する)→褒められる→自信になる→頑張る気持ちになる
というプラスのサイクルが出来ることに意味があるんだと思います。
……ということは、このサイクルを反転させてみればマイナスのサイクルになるはずですね。一応、後学のためにやってみましょうか
下手なまま→負ける(失敗する)→褒められない→自信ない→頑張る気持ちにならない
なんかわかる気がしますね。私、中田は子どもの頃はスポーツも好きではありませんでした。早生まれだった私は同級生と比べて身体が小さく成長も遅くて、同い年の中では何をやっても最初から上手くはできなかったんですよね。だから、身体がある程度出来上がるまでは運動は好きになれませんでした。それが変わったのは高校に入ってから。高校に入って唐突に身長が伸び始めて148㎝→159㎝→170㎝となるにつれて同級生との差もなくなっていきましたし、嫌々ながらも続けていた剣道などで「勝てるようになった」のがきっかけでしょうか。
つまりやはりここでも成功体験はそれを好きになるために不可欠なようですね。
個人競技ではありますが団体戦があったことを考えると過程で褒められても居るわけですし、誰かに褒められた経験というのもここに関わってきても居るはずです。
ということは。勉強も同じと考えられるわけで。
勉強が嫌いと言う子は先程のマイナスのサイクルの渦中にある、と考えられます。
……言われてみれば、小学校1年生ですでにもう勉強が嫌いって子は案外少ないんですよね。そこから年ごとに段々勉強が嫌いな子は増えていく印象で、中学生になると半数を越える子が勉強を嫌いと言っているイメージです。
……まあ、子どもたちからすると勉強には終わりが見えないですし。
そのくせ必勝とか常勝無敗とかはまず無理でしょうし。そのために必要となる「努力」というリソースの負担はスポーツ同様に大きいですし。勝ち続けるとなるとその負担はさらに大きくなるわけですし。正直なところ成功体験を得るのが難しいですよね。
そして、それだと当然褒める機会も減ってしまいます。そりゃみんな勉強嫌いになりますわ。
ではどうすればいいか。
今までの「小学6年生。中学の準備についてのお話」シリーズで言ってきたことですが、実は
数学と英語に限っては中1の一学期に関してはそれほど勉強の内容も難しくないので、これを利用するのがいいと思います。この時期のうちにイイ感じに成功体験を得てもらって、誰かにしっかりと褒めてもらうことがモチベーションアップと勉強への抵抗を軽減させるチャンスになるわけですね。まずしっかりと勝利・成功を味わってもらわなければなりますまいな。
というわけで、中学生になる前にやっておきたいこと。その保護者の方への提言です。
①算数と数学は全く違う科目であると周知しましょう。
実際、算数が苦手でも数学ならできるという子も一定数いるんですよ。それなのにやる前から苦手意識を持った状態でスタートしたら上手くいくものも上手くいかないですよね。実際にはもちろん数学を学習するうえで算数は大事なんですけれども、せっかく名前が変わるのです。有効に利用させてもらおうじゃないですか。
②勉強、そしてテストは「勝負」であると意識させる。
勝負なんです。だから勝つと楽しいんです。だから上手くいくのは面白いんです。続けようと思ってもらうためにはテストはイヤと考えるのではなく実力を計るテストととらえるべきで、だからこそ小テストの扱いは大事になります。ただ勉強をするのではなくこまめに小テストを行って、勝負である意識と成功体験を形成していけるのが大事です。
③ちょっと頑張っていたり、出来ていたりしたら、異様なくらい褒める。
ウザいくらいでいいですよ。なぜ今まで褒めてなかったのに、と子どもたちは不審に思うかもしれませんが気にしなくていいです。中学生の問題はそれほど難しいんだ。それなのにそんな勉強を頑張っているのはすごいんだ。ということを軸にして褒めてあげてください。
そして、③のためにもなるべく早くから予習に着手しておきたいですね。早めに始めていればそれだけ先に進めるし練度も積めますから「結果」を出しやすいですし褒めやすくなります。
これはなにも新中学1年生のみに限ったことでなく他の学年でも同じことではあるのですが、この3つを念頭に置いて子どもたちに接することは大事だと思います。
注意点として。この中でも特に「褒める」という行為はどうにも日本人は苦手なようでして、どうしても大人は今の自分を基準にして他者を比較して見てしまいがちですから、日ごろから褒めることに慣れていないとスペックで確実に劣る子どもたちを褒めるのは難しいようです。だから基本として1つ覚えておきましょう。
学校に行き、塾に行き、勉強をする。それが子どもたちの仕事だとか責務だとかすぐに大人は考えてしまいがちですが、将来のことを考える想像力がまだ育っていない子どもたちはそれが生きるのに必要だからと割り切って好きでもないことができる大人とは違います。
行きたくもない学校に行く
行きたくもない塾に行く
やりたくもない勉強をする
本来ならそれだけでも褒められて然るべきことであって、成績が良かったとか頑張ってるとか結果が出せていなければ褒められないというのは、実は不自然なことなんだと思いますよ。
さあそろそろ3月ですね。次学年の予習、始めましょうか。
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