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「考えて勉強する」の理想形

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「考えて勉強する」の理想形

「考えて勉強する」の理想形

2022/11/05

はい。中田です。

今日は勉強において非常に大事な「考えて勉強をする」お話です。

それが大事なのだということはわりと理解されているのですが、実際に考えて勉強する、とはいったいどういうことなのか。どうやって勉強すればいいのか。ということを説明するため、今回はファインマン・テクニックを紹介してみようかと思います。ではいってみましょう。


物事をしっかりと深くまで理解したいときに、私が生徒たちにおすすめしている学習方法が、米国の物理学者リチャード・ファインマン氏が愛用していたファインマン・テクニックです。

ファインマン氏は量子電磁力学などの分野で偉業を残した人で、1965年にノーベル物理学賞を受賞しました。『ご冗談でしょう、ファインマンさん』の人、というとお父さんやお母さんの中には聞いたことのある人もいるかもしれませんね。彼は「知識をただ丸暗記するのではなく物事の本質的な仕組みを理解することこそが重要である」という信念を持っていました。

 

ファインマン・テクニックとは。

学びたい概念(言葉・用語)をひとつ選ぶ
それについて知っていることを、人に教えるようなつもりで書き出す
テキストなどで調べ、新しく得た知識を書き足す
曖昧な箇所があれば、さらに学んで書き直す

というものです。


「円安」を例に説明しましょう。

まず、紙やノートに「円安」とタイトルを書き、知っていることをすべて書き出してみます。

ポイントは、難しい表現や専門用語を使わずに小学生でもわかるようにすること。そうするとたとえば、最初はこんな感じからスタートするのではないでしょうか。

 

円安とは、円が安い状態である。

 

……ええ。そうなんですけどね。でもこれではなんだかよくわかりません。

つまり。このプロセスにより自分の知っていることと知らないことがはっきりしたわけです。では次にテキストなどで調べ、知らなかった情報を見つけたら、ノートに書き足しましょう。

調べてみたところこんなことが書いてありました。

 

・円安とは、円の他通貨に対する相対的価値が相対的に少ない状態のことである。

・円安の反対を円高という。

・円安は輸出に有利だが輸入に不利である。

・円安には良い円安と悪い円安がある。

 

このように詳細な情報を加え、ノートを完全にしていきます。この際、ただ知識を写すのではなく、やはり誰かに説明することを鑑みてなるべく説明を計りやすく自分の言葉に直しておくといいでしょう。私なら一番上の項目を、こう付け加えて直します。

・円安とは、円の他通貨に対する相対的価値が相対的に少ない状態のことである。カンタンに言うなら、他通貨を買う時に円で支払うと「価値が少ないからたくさん払わないといけない」状態のことである。

3行になりましたが、これならまあ分かるんじゃないでしょうか。

そして最後に、不完全な点や気になる点はないか見直します。

 

・今は円安とか言ってるけど、良い円安なのか悪い円安なのか?

・円安が続くとどうなるんだろう。いつまで続くのだろう?
こんな疑問が湧いたら、さらに調べて学んで、ノートを書き直しましょう。

これを繰り返すことで知識は深まりますし、それにより「生きた知識」が得られるので日常生活で抱いた疑問でもなんとなくですがわかるようになっていったり、わからなかったとしても調べる習慣が身に付きます。これが考えながらする勉強の理想的な形のひとつです。

学習内容が難しく理解しづらいときにたいへん役立つので、ぜひファインマン・テクニックを試してみてください。

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