学習計画の立て方③ 予習の重要性
2023/05/31
はい。中田です。
突然ですが申し訳ありません。前回の記事の最後で、「次の記事で学習計画の立て方についてお話します」と言ったんですが、記事を出してから、その前にもう一つ書いておくべきことを思い出しまして。今回はそのことについて話をしようと思います。学習計画の立て方について期待していた人はもう少し待ってくださいね。
さて。では今回は『予習の重要性について』です。ではいってみましょう。
「予習」の重要性
まずは予習の重要性の前に、予習の必要性についての話から始めましょう。この点については中学校の先生方の中でも賛否が分かれるところでして、ある先生は「必要」と考えある先生は「必要ない」と考えているのが実情です。おそらく学校によっても変わってくるでしょうし、個人単位で意見が違う難しい部分なんじゃないかと思います。必要ないと考えている先生でも「必要かと問われるとそうは思わないけど、出来ればした方がイイ」というくらいの人ならばけっこういるように思いますしね。
では塾はどうかというと、これもけっこうまちまちですね。流石に必要ないなんて言っている尖った塾は見たことはないのですが、しっかりと予習に力を入れて指導している塾はそんなに多くないように思います。やっぱり復習中心に指導している塾が多い印象ですね。
しかし,それに対して真っ向から否定している人たちが居ます。高校の先生です。
彼らと話をする機会もあるのですが、話を聞くとわりとけっこうな頻度で「高校生になっても予習の意味や必要性を分かっていない」という愚痴をよく聞きます。頑張って高校に入っても中学の勉強からうまく切り替えられずにダメになっていく生徒が多い、とも聞きますね。
……これらの意見から、何となくですが中学校では特別の場合を除いて,それほど「予習」をする必要はない。けれども高校においては「予習」は必要不可欠なものである。ということが見えてくるように思います。そして私としても、高校の先生が必要という以上は中学のうちに予習型の学習に慣れておくべきでは?と思っているわけでして。
多少乱暴な言い方にはなりますが、中学生には予習は必要なく、復習さえキチンとしていればそこそこの点数は維持できると思います。復習をしているだけでもしっかりやってさえいれば70点~80点くらいは維持できますし、頑張ればもっと上を目指せます。なぜなら中学校の学習は高校に比べて学習する内容が,さほど難しくなく,量も少ないからです。
(「ええー!?難しいし量も多いし、そんな点数取れないよー!」という人は要注意。それは復習もできていないということなので、早急に勉強の見直しが必要ですよ)
私の個人的な見解ではありますが、中学生は中学生になったら……すなわち中学1年の頃から「予習」を取り入れ,2年3年とその「割合」を増やしていく必要があると思います。それを怠ると、中3の受験前直前と、高校に入ってからの勉強で酷い危機に出合うことになります。
理由は3つ。
①学校の授業の後に復習「だけ」のスタイルだと、中3の最後の分野の内容を復習する時間がほとんどないまま受験に突入することになる。
社会科の先生としては1番怖いコレ。国際社会分野を中学でちゃんとやって、それをしっかり復習までやり遂げて高校受験に挑んだ中学生ってどれぐらいいるんでしょう。正直、かなーり少ないんじゃないかと思っています。(これがさらに怖いのは、そのまま高校に進学した子が高校生のうちに選挙権を得るという事実だったりする。みんなちゃんと勉強しよう)
社会科に限らず全科目でもいえることなのが気になるところですね。
②高校の学習内容では、「自分は何がわからないのか」をある程度理解した状態になった上で授業を受けるようにしないと、先生の説明が分からないし、わからないことが唐突に出てきた場合にさらっと流れてしまって詰む
これは知人の普通高等学校の先生が言ってたことですが、高校の1時間の授業を理解するには最低30分の予習と50分の復習が必要になるそうです。そしてこの時、30分の「予習」をしなかった場合、授業の内容をキチンと理解するためにはなんと120分以上の復習が必要になるとのこと。これは、自分の分からないことを事前に把握したうえで授業を受けて、先生の説明によってその謎が解けるというプロセスと、先生の説明を聞いて初めて分からないことの存在を知り、その謎を家に帰って自力で解き明かすプロセスの差から来るものだそうで。
たしかに、高校数学を復習だけでたやすくできるようになれるなら、それだけでもう数学者の素質があると言えるレベルだという気はしますね。それにそもそも知人の言葉を信じるなら、予習アリで5科目の勉強をすると5×80で400分(6時間40分)に対し、予習ナシでは
5×120で600分(10時間)ですから3時間20分の時間短縮になります。同じ分量の勉強をするのにこれだけの時間差を生むのはちょっと嫌ですね。
③大学入試で一般受験をする場合、やったことのない未学習の内容や、そもそも高校の授業で取り扱わなかった内容も普通に出題される。
シビアな話ですが、高校は高校受験によりおよその生徒の学力が近い状態で纏められており、それに合わせてカリキュラムが定められています。つまり、学校によって学ぶ内容が異なり、未学習の単元や取り扱わない単元が学校ごとに違う恐れがあるということです。それどころか同じ単元を学んでいても密度が全然違ったりすることもよくあります。
1番分かりやすいのが世界史ですかね。高校で中世ヨーロッパからフランス革命くらいまでを学んだという人が埼玉には多いと思いますが、「え?古代からやったよ?」という人も居るかと思いますし、「第一次世界大戦から始まったよ」という人も居ると思います。
しかし、大学受験ではそうした学校ごとの差異は一切関係なく問題が出題されます。なんなら中国史やインド史の、ちゃんと教科書を読んでいないと授業では扱いもしなかった範囲からも出題されます。そうした問題でも解けるようになるには、復習だけでなく、事前に内容全体を把握しておくプロセスとしての予習が必要になります。
だから、予習しましょう。
と、大部分の高校1年生が合格後の入学オリエンテーションでいきなりこの事実を知らされ,愕然となるのわけですね。だったら今から知っておいて損はないでしょう。学習計画を立てる上では、この予習と復習は分けて考える必要があります。なるべく早くに、高校に上がる前に予習を取り入れた学習ができるようになるよう頑張っていきましょう。
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