「○○の壁」なんてものはないけれど。（理科・社会編）

はい。中田です。

今回も前回の続きですね。前回が英語と数学でしたから、今回は国語かあるいは理科社会かと書きたいことについて考えてみたのですが、思い浮かびませんでした。というのも、そもそもその3科目って数学や英語みたいな積み重ねを怠るとあっさり詰むタイプの科目ではないので「○○の壁」というような『越えないと先に進めなくなるハードル』がないんですよね。

とはいえ、だから簡単な科目だというわけでもなくて。むしろそれが新たな問題を生むことも少なくないんだよなあ……と思ったので、今回はそれについての話をしてみます。

では、いってみましょうか。

 

理科と社会は、「ここの単元が勉強大変だよ！」と定義するのが非常に難しいです。もちろん塾の先生としての経験上、一般論として難しい単元は山ほどあるのですが、そう言いながらも毎年「えっ！？ここそんなに簡単に理解出来ちゃった？」みたいなことも多く、生徒によって得意な単元と苦手な単元にかなり大きな個人差がある印象があります。特定の単元というよりその子にとって苦手な単元のカロリーが圧倒的に高いのが理科・社会の特徴ですね。

なので、この２科目は苦手と感じたらすぐに対処をしないとメチャクチャ危険です。

……ここが難しいんすよ。

理科と社会は、前述の通り『越えないと先に進めなくなるハードル』がありません。そのためちょっと苦手な単元が出てきても、我慢して我慢して何とかその単元の出てくる定期テストをやり過ごしてしまえば、後は受験の前までその単元を見なくて済むようになってしまいます。苦手な単元が受験期まで放置される可能性が非常に高い科目なわけですね。

ちなみに本人がその事実を前に焦りだすのは多くの場合で中3の夏です。しっかり復習をする習慣のある子でないとそれ以前に自身の問題を察知するのはけっこう難しいことなんですね。ですから、苦手と感じたらすぐ対処。これが鉄則になります。大切なことなんで2回とも太字です。

 

じゃあ次に、『実際に苦手な個所が見つかったらどう対処すればいいの？』という話ですが。ここで大事なのは、

どうしてその単元・分野を苦手と感じるのかについて

その子自身がしっかり理由を把握していないといけない

ということです。

この過程をすっ飛ばして勉強をしようとすると、理科と社会の勉強法はおよそ暗記か問題集をたくさん解くかの2つに絞られてしまい、結果として学習の効率が悪くなることがあります。

 

チェックすべきことは４つ。

①基礎的な覚えておくべきことが覚えられているか

②その単元のポイントがおさえられているか

③ポイントについて理由や手順が説明できるか

④それを手で書いて解答できるか

 

①が出来ていないのなら暗記が足りません。最低限、覚えることを覚えましょう。

②が出来ていないのなら教科書を読めていません。ノートまとめをしましょう。

③が出来ていないのなら教科書の内容の理解が浅い可能性があります。教科書の内容を自分の言葉に直すことを意識してノートまとめを深めてみるといいでしょう。

④が出来ていないのなら経験が足りていません。問題をたくさん解きましょう。

 

チェックの手順は①から順番に進めていくことが大事です。

これは昨今の受験シーンを踏まえての話になりますが、２０年前の高校・大学受験においては一問一答形式の出題がまだまだ多くて、①の暗記中心の勉強法が主流だったのに対し、現在は記述形式の出題比率が圧倒的に多くなっていて、②③のタイブの勉強ができていないと点数が伸びないようになっているのが現実です。理解をする勉強が不可欠でしょう。

 

それから。今までも度々言ってきてはいることですが、社会と理科において1番大事なことは興味を持つこととイメージ力を養うことです。それらどちらかでも欠けた状態で社会や理科を理解するのはけっこう無茶ですから、分からないことは先生に聞く。気になったことも先生に聞く。あるいは調べる。というクセをつけるようにすると良いと思います。

慧文塾でも、もっと先生を使ってくれていいんだからね？使えるものは使いましょう。