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【文系と理系】 文系についてのお話

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【文系と理系】 文系についてのお話

【文系と理系】 文系についてのお話

2023/04/05

はい。中田です。

慧文塾は春期講習会の真っ最中です。いつもの講習会の時のように昼休み更新にしようかとも考えたのですが、前回からほぼ思い付きで【文系と理系】の話を始めてしまったので、今回もいつも通りに思っていることを語ることにしました。

というわけで、今回のお話は「文系」についてです。では早速いってみましょう。

 

……と言っても。文系って何なんでしょうね。よくわかりません。法学部卒なのに。

私たちが住んでいるこの日本という国は、高校ぐらいになると文系科目と理系科目とに学問を分ける謎の風習があるのですが、世界的にはわりと……というか非常に珍しい分類法でして、はっきり言って全然一般的ではないのですが、どうしてかすごく普通にまかり通っているのが不思議でなりません。日本以外でやってる国ってどこかあるんですかね、コレ。正直なところ「〇〇国ではこんな取り組みをしている!」だとか「△△をしてない日本は遅れてる!」とか言うくらいならその前にこのシステムを何とかすべきだと思うんですけどね、私は。

というのも、「考える」ということをするためには知識と論理が前提として必要で、それらを全部まとめて『科学』と呼んでいたものを、明治時代にエキスパートを大急ぎで大量に育てて欧米に追い付かなければならなかったために分野専門特化に科目を分けて、「理学(理系)」と「社会科学と人文科学(文系)」に分野を分けた結果が文系と理系の発生起源ですから、

 

本来ならば、理系だって文系の勉強はしなければならないはずだし、文系だからと言って理系の勉強を疎かにしていいはずはない。

のですよ。だってそれが知識であり論理性の構築のはずですから。つまるところこの分類法は物事を「半分+ちょっと」の思考でしか考えられない人間の育成システムなんですけれどね。

……という言い方をするとちょっとアレですが、これについては経済学部に行った人なんかはとても良くわかると思います。

数学とか理系が苦手だから文系を選んだのに、文系の経済学部ってほとんど数学じゃん!!

て思いませんでしたか?経済学部に限らず、データを扱う社会学関係もだいたいそうですし、およそ学問のほとんどは「科学」に分類されるんだから当たり前っちゃ当たり前なんですが、文系だって理系的思考は必要ですし理系だって文系的アプローチは必要なんですよ。本来。

そういう意味では「理科が苦手だから文系」とか「社会が苦手だから理系」という考え方は、ある意味では「考える力を伸ばすのを半分放棄して大人になります!」という宣言であって、他の何を差し置いても真っ先に改善すべきシステムだと思うわけですが、一応最近では日本もそのことに気づき始めたらしく文系と理系の垣根を取り払おうとし始めているようです。

 

……理系寄りに偏らせてね。

ちゃうねん、それ。人間がまず最初に覚える学問は人文科学。すなわち母国語やねん。

人間は考える際に自分の日常的に用いる言語で物を考えます。知らない言葉や事柄については考えませんし、考えられません。知らないことを知るのにもその言語で他人に説明を求めて、言語を受けて言語で思考をして、理解をします。たまーに知らない事柄も考えてしまう天才も居ますが、そんな天才でも思考は基本的に母国語でしています。

つまりは国語が出来なければ、他の全ての勉強……英語も数学も理科も社会もいくらやっても伸びないということなんですよ。だって考える力が育ってないのに学問をするのは基本的には無理でしょう。それでも理系に偏らせるということは、「自力で国語が出来るようになれる、すなわち日常生活と義務教育だけで十分な国語力を獲得できるという子だけがその先の学問に進める」という、わりと無茶な未来しか見えないんですけどね。

 

じゃあせめて自衛しましょうか。

文系、というか国語力ですね。これを最優先で育てるにはどうすればいいか。これについては今までにも語ってきましたが、そもそも国語の習得を私たちはどうしてきたかというと

 

①生まれた時からお父さんやお母さんに話しかけられて、聞いていた。

②それを聞いているうちに真似をするようになって、喋り始めた。

③意味を理解するようになっていくうちに、使いこなして話せるようになった。

④言葉に該当する文字を見て、覚えた。あるいは文字を見て、意味を理解した。

⑤文字を書けるようになった。

 

こうやって学んできたわけですよね。実はこの手順こそが勉強の本質だったりします。

人から聞いた、あるいは何かで例えばテレビやネットで知ったことを、なんとなくでいいから他人に真似て話してみる。でもそれだとおそらく正しく伝わらないから、しっかり考えながら頑張って伝えてみる。そういうのが国語力を育てるには必要なんですね。

ちなみに聞いた話ですが、言葉を使わずラクして相手に意思を伝えようとする方法というのが現代にはいくつかあったりするのですが。それに慣れると国語力は少しずつ下がるそうです。気を付けていきたいものですね。

 

 

 

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