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論理的思考には知識が必要だよ。というお話

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論理的思考には知識が必要だよ。というお話

論理的思考には知識が必要だよ。というお話

2022/12/10

はい。中田です。

前回「冬が始まるから体調には気をつけようね(要約)」という話をしました。その際に身体を温めるといいよということを言ったわけですが、最近の研究ではビタミンCは以前に言われていたほど風邪に効果があるわけではない。という説をつい最近目にしました。

さあ。そんな時どうしますか?というのが今回のお話です。

 

このケース、深く突き詰めていくと非常に難しい問題になってくるのですが、そういうことはさておき私の個人的な意見を言わせてもらうなら

「別にどうもしない。以前同様に風邪の時には果物を多く摂るべき」となります。

あくまで個人の感想であり、必ずしもそうしろというわけではありません。だからこそ前回も私ならという話で書いたわけですが、中には「なんで?効果ないって言うのにどうして?」と疑問に思う人も居るかと思います。

これ、とても教育上では大事な話なのでお話しますね。

 

まず、これに対する私の答えがいくつかあるのでそれを挙げてみますね。

①そうはいっても果物を食べると身体の調子がいい気がするから

②ビタミンを摂りすぎてどうにかなるほど普段から大量摂取してるわけでもないから

③ビタミンCについては摂りすぎても結局は排出されるから

 

……解説しますね。

①は経験則から来るものの考え方です。たしかに最近の研究、つまり科学的な根拠に照らせばビタミンCは以前に言われていたほど風邪に効果がないのかもしれません。でも私は果物には他の栄養素もありますし、過度に摂りすぎない限り身体に悪いものではないと考えています。この考えは根拠としては薄弱ですが、それでもなおそれを推すのは「経験」があるからです。

②に関しては私は専門家ではないので、どのくらいまで食物を食べたら大量摂取になるのかは知りませんしわかりません。ですが、普段不摂生してるので多分大丈夫でしょう。これもまた「経験」に基づく推測です。

③は、これもまた私には専門外なことでして。私自身が研究をして証明したことではないので『正確な』真偽は不明ですが、まあそういうものであるとは聞き知っているので、一応それを信じています。これは「知識」です。

 

以前、理科という科目について、筋道をしっかりとした正しいルートで組み上げて、実行する科目が『理科』だ。という説明をしました。理科の授業では様々な実験や観察の経験を重ね、知識を整理しながら,結果を予想したり答えを導き出したりすることを学びます。

だから例えば、理科の実験で失敗することは、理科本来の目的である多様な経験を積むという意味では一概には失敗とは言えないわけです。「うまくいかないということが分かった」のも大事な経験ということですね。

これに問題があるとしたら、これがかなり非効率的なやり方かもしれない、ということです。最短の道筋を知って最短の手順を組み上げて実行をするのが「効率の良い」やり方ですから、失敗しながらというのはどちらかというとあまり賢いやり方ではないです。

しかし、それでも。もちろん何事においても時間というリソースが有限である以上は一概には言えないとしても、それが許す範囲のことであれば失敗もまた大事な経験として記憶しておくべきなんじゃないかと私は思うわけです。学校の理科の実験においても「なぜうまくいかなかかったのか」「どうすればうまくいっただろうか」のフィードバックこそ一番大事だと思うんですよね。

 

そういう意味では、

A、ビタミンCは以前に言われていたほど風邪に効果があるわけではない。

B、しかしそうはいっても、私は果物を食べると身体の調子がいい気がする

C、果物はビタミンCだけで構成されているわけではない

推察:果物に含まれる何か他の要素が風邪にイイのかもしれない

結論:なんかようわからんが風邪の時には果物を食べよう

 

この筋道の成否は、おおかたどこかの研究者がすでに研究していると思います。

その研究についての「知識」があれば成否はわかるのでしょうが、残念ながら私にその知識はないので、私は私の「経験」に基づいて判断して先の結論を出すわけです。

逆に言えば。

知識や経験がない状態で物事を判断するのはとても難しいですし、危険です。

誰か偉い人が言っている「知識」だから間違いないと考えるのもとても危険です。

かといって一人の人間が得られる「経験」にはリソースの都合上限界があります。

ではどうするかというと「じゃあ最低限、疑う余地のない知識と経験を学ぼう?」というのが義務教育の意義なわけですね。

ビタミンCが風邪に効くとか効かないとか、ネットに載ってたとか偉い人が言っていたとか、信じるも信じないも自分自身次第だからこそ、それを判断するためにもしっかりとした知識と経験を積み重ねていきたいものです。
 

 

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