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塾の視点。数学のお勉強

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2022/07/01

はい。中田です。

ふたを開けてみると例年よりもかなり速いペースで夏が来てしまい、早くも暑さにまいっている私です。どうしても冷たいものやさっぱりしたものばかりを食べたくなってしまう時期ですが、夏の本番はまだまだこれからでしょうから皆様も体調にはくれぐれも気を付けていきましょう。夏バテには豚肉がいいらしいですよ。豚肉。

 

さて。今回も数学の話題です。

塾の先生の視点から中学生の数学という科目を見ると、

『生徒たちがとにかく嫌がる科目』『授業後に生徒たちが疲れたと言う科目』『学年に2人くらいとんでもないコアなファンがいる科目』という印象です。

コアなファンは他の科目にも居ると言えば居るのですが、数学ファンの子は前回話したようにどこかゲーマーっぽさがあるというか。数学を一種の勝負として楽しんでいる感じがあるのが特徴的です。彼らはご家庭においても速さと正確さを常に競って鍛えており、計算においては驚くような強さを持っている子もいます。

かとおもえば、数学は中学生が苦手とする科目の筆頭でもあります。文科省の平成17年の調査では算数が好きという小6生は55%だったのに対して数学が好きな中1生は28%だったとか。

また、算数・数学が好きと答えた子と嫌いと答えた子にそれぞれアンケートを取ったところ

・算数では好きと答えた子は「楽しいから好き」の割合が一番多い。

 また算数を嫌いと答えた子はそもそもの割合が少ない。

・数学を好きと答えた子は「数学そのものが好き」の割合が一番多い。

 また嫌いと答えた子は「感情的に嫌い」の割合が一番多い。

という結果だったそうな。

このアンケート結果をそのままの意味で受け取るなら。数学を好きになるには

中学に入る前の算数の時点で楽しいと思えたかが重要

という、なかなかにシビアな結論になってしまうんですよね。でも、まあわからなくもない。私も塾の先生ですから、見てきた生徒の中には中学生になって数学が楽しくなったという子も実際に見ましたが、やはり全体の比率では少数派と言わざるをえません。

が、そこで諦めるわけにはいきません。それをなんとかするのが塾の先生ってもんでしょう。

 

そこで注目すべきは、なぜ中学生は数学が「感情的に嫌い」なのかという点です。

これは個人的な見解ですが、数学が

・5科目で一番習得に労力が伴う科目  であり

・そのうえ脳の疲労度が一番高い科目 なくせに

・頑張った見返りが少ない科目    なのではないかと。

 

なんでも数学って、脳の神経細胞の繋がりである「シナプス結合」の密度が一番上がりやすい科目なのだそうです。シナプス結合の密度が上がると、頭の回転が速くなったり難しいことを考えても疲れなくなったり、老いてからボケにくくなったりするそうですが、そもそも密度を上げようと鍛える際にとても疲れるものらしいんですね。

そのため、人間の脳は少しでもラクをするために「わざと頭を使わないように思考を止めて」まるで作業のように問題を解こうとしたりするのですが、

それをしてしまえば当然数学はできるようにはなりません

でも本人はそんな脳のメカニズムはまず知らないでしょうし、サボってる自覚もないですから

数学作業を続けるでしょうし『本人は頑張っているつもり』だったりします。

 

本人は努力をしている(つもり)

でも(勉強ではなく作業だから)成績は上がらない。

テストでも思うように結果を出せないから勝利を味わうことができない(成功体験の減少)。

さらには追い打ちで親御さんが「もっとしっかりやりなさい」

 

これ負のループになっていきますよね。この段階で一念発起して、脳がラクしようとするのを頑張って食い止めて『ちゃんと考えて問題を解く』クセをつけられればループから脱することもできるのですが。それができなかった場合はずっと延々とループの中です。

この脱出法は2つ。

頭を使うのが楽しい。あるいは頭を使って問題を解けて良かったと思うこと。

「数学作業」をしている生徒本人が自分の間違いに気付けるようになること。

さて、こうして見てみると、数学が苦手な子を数学ができる子に変えるために必要な技術とは知識を正しく伝える技術ではないということがわかります。むしろコーチやトレーナーとして生徒のそばで生徒を見守り、誤答があれば間違いを指摘したり、頑張ったら適切に褒めたり、時には生徒と一緒に問題を解いたりして、教える大人自身が楽しそうに指導をする。

 

……ご家庭で親御さんがこれをやるのはなんだか大変そうですね。数学を目的で塾に通わせるご家庭が多いのも頷ける話だと思います。

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