理科と社会のお話。（番外編）

はい。中田です。

唐突ですが、最近知り合いの先生たちの間で【全国学力テスト】が話題になりました。なんでも石川県の学校で事前対策をしていたことが問題になったようですね。たしかに本来の学力テストの趣旨からは外れるので褒められたものではないと思いますが、正直なところ色々な県で働いたことのある私としては、他にも疑わしい県がちらほらあるので何とかするなら徹底して全国規模で対応しないと難しいと思うんですよね。

とはいえこういった全国区のテストは、普段の校内定期テストのような同じ学校の中だけの少ない人数で実施されるものではありませんので、より広い地域における教育に対するスタンスを知る上では便利です。

……自分の出身県の国語力が関東で最下位なのちょっとへこむんですが？

また、これとは違いますが、業者が行う県のテスト（埼玉県だと北辰テストとかが有名ですね）や全国規模のテスト（全国統一小・中学生テストとかが有名ですね）などでは、自分の学力がどの位なのか、受験する生徒の数が多いためより正確なデータが取れます。志望する私立高校や公立高校を受験しても大丈夫そうか、それとも厳しそうかといった判断をする際の材料にもなる非常に重要なテストだと言えますね。

……問題のレベルが本当に全国一律に適切かと問われると困るんですが？

さて。そんな全国学力テストなわけですが。

社会が、ない。

これ、どうなんですかね。理科と英語は３年ごとくらいで実施されているんですが、社会って追加されないんすか。成人年齢の引き下げで選挙で投票できる年齢も下がりましたし、むしろ社会科の重要性っていまこそ10年前より大きいんじゃないですかね。日本全体は理系に舵切りする目算のようですしそれを否定するつもりはあまりないんですが、時間がないからとかいって公民分野の半分くらいしか教えないで受験時期に突入して、「やっといてね」で終わらせる学校がかなりあることを把握できてます？高校ではそれまでの社会科系科目の『現代社会』が『公共』に変わりましたが、アレけっこう難しいっすよ？基礎的な公民の内容が抜けてて大丈夫です？そして公民分野をより深く理解するためには過去の事情と地理的な事情を知ることは大事なことで、だからこそ地理や歴史も手を緩められないわけなんですが……。

と、考えると。

英語も、数学も、国語も、理科も、社会も、小学校と中学校の義務教育期間の9年間で全てを習得するのがいかに難しいことか。そしてそれをある程度習得していない状態で高校に進学した場合に、『高等教育』についていくことがいかに大変なことか……。

でも、だからこそ。理科と社会はできるなら勉強というつらい目で見てほしくないのが個人的な想いだったりします。

「虫が好き」だって理科ですし、「風呂場で石鹼を泡泡にして遊ぶ」のも理科ですし、「山彦を不思議がって叫ぶ」のも理科ですし、言うなれば「野菜を切り肉を切り料理をする」のだって理科です。それを詳しく発展させて原理原則を説明すると中学生の理科の勉強になるだけです。社会も同じですね。私は「NHKの歴史番組と大河ドラマ」でなんとなく歴史の雰囲気を掴んだクチですし、「スーパーで売っている野菜の生産県」から何となく産地を覚えた記憶もあります。あとは歴史漫画が好きでした。

これ全部実体験ですが、小学校の高学年になった頃に社会や理科を学ぶ頃になって理解するのにメチャクチャ役立ちました。もちろん、どれも勉強しようと思って覚えた内容ではないです。でも、どれもこれも小中学校で習うことになりました。

勉強以外のこと、面白いと思えること、興味深いこと。そういったところには必ず社会と理科の種があります。思う存分に色々なことに取り組んでみて下さい。

そして、今と同じくらい大切な将来にも目を向けることを忘れずに、日々の勉強を頑張りましょう！
 

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