少し先の未来を予想してみる話。
2023/05/10
はい。お久しぶりです。慧文塾の中田です。
GWも終りまして、いよいよ新学年の生活も本格始動というところですね。この時期になると毎年思うんですが、4月に新しいクラスに上がり新しい友達が出来て、ちょうど馴染んできた今の時期に、唐突に学校に行かない生活が挟まるのってどうなんでしょう。憲法記念日だとか子供の日だとかで休みが密集しているので仕方ないと言えば仕方ないんですけど、五月病とかわりと問題になったりしているわけですが、その原因て「このタイミングだから」というのもあるような気もするんですけど。ともあれ、そういうモチベーションの低下に負けることなく気を取り直していきたいところですね。
さて。今回のお話は少し未来の予想の話です。では早速いってみましょう。
まず、いきなりですが問題です。
塾や予備校とは入試で受かるためのテクニックを教えるために存在している。
〇か×か。さてどちらでしょう?
……………。
…………。
………。
はい。答えは出ましたか?
答えは×です。はっきり断言します。答えは×です。
「ええ?塾って暗記の仕方やテクニックを教えてくれるところなんじゃないのぉ?」と思った生徒さんや保護者の方は居ますか?もしいらっしゃいましたら、出来るだけ早くにその考えを改めていただけると幸いです。
なにしろ、そういう考え方をしていた塾は20年くらい前に現代の入試についていけなくなってほとんどすべてが廃業してしまいましたから。「昔はけっこう有名だったのに最近あの塾って名前を聞かないなあ」とか「あの予備校っていつの間にかなくなっていたんだ」というようなケースの多くはこれが原因でして。現代の入試はもはや暗記やテクニックでどうにかなるものではなくなりつつあるわけです。
2022年度以降、高校では科目再編により、公民系科目が「公共」に統合されたり、選択科目に「古典探究」「世界史探究」「理数探究」などの「探究」のつく科目が多く導入されました。これに先立ち「探究」系の学習をそもそもカリキュラムに入れ込む高校も増えてきています。
その背景には大学入試改革があり、今後国立大学でもAO入試や推薦入試の比重を増やして、高校時代に取り組んだ課題研究や課外活動の内容も積極的に評価していくという方針が明らかになっています。つまり、自分なりに問題意識をもって思考力・判断力・表現力を深めていくことが求められているわけです。
そしてこの流れは着実に高校入試にも影響を与えてきています。
公立高校の国語や英語の入試でも、文章を読ませ、自分の考えを書かせるといった記述問題を出題するところが増えてきました。記述問題としての比率で言えば、例えば社会科については問題の70%がすでに記述問題になっています。
このような問題に対して、機械的な暗記やテクニックで立ち向かったのでは歯が立ちません。「自分の考えを書く」ためには、まず出題されている文章の趣旨を読み取り、それをふまえて考える必要があります。考えたことを相手に伝わるように書くには慣れることが必要ですし、英語の場合、さらにそれに加えて英作文の訓練が必要となってきます。
つまり、今後は読むことと考えることと書く作業に慣れること、それら全てがますます大切になってくるのです。
そこで現代において学習塾というのは、これはもちろん慧文塾もそうですし他の塾もですが、まず「問題をちゃんと読む」そして「それから考える」ということをちゃんと分ける練習から教えるようになりました。問題を見ていきなり解こうとしない、速さが全てではないことから伝えることが必要になったわけです。(20年前とかはまだ速さ至上主義だった気がします)
では、これからもうちょっと先の未来も予想してみましょう。
高校入試にそういう変化が起きているということは、すでに中学の学習にも変化が起きているはずですよね?事実、カリキュラム面だけでも英語教育やプログラムの学習など聞こえてくる範囲でも20年前には考えられなかったような変化が起きていますよね。
今後おそらくさらなる技術的・社会的進歩と共に色々な変化が起きてくるでしょうし、きっと学ばなければならないことが必然増えていくことが予想されます。その中で先程述べたような「読むこと」「考えること」「書く作業に慣れること」の習熟も加えて要求されるようになると考えられます。
……時間が、足りませんね。
となると、あるいは「小学生の頃から始めよう」とか言いだしたりするんでしょうか。
いつの間にか小学校で文法すら教えなくなり、文章理解も満足に出来ない子が増えつつあると言われている昨今の現状を見るに、それはそれで問題な気もするんですが。でも、
それが問題な気がするから、それに少しでも抗うために、今の日本の学習塾はあるのだ。
とカッコつけて思うようにしていたりします。
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