小学校卒業。中学1年生の準備⑥

はい。中田です。

先日西大宮周辺の中学校の卒業式が終わりました。来週には小学校も卒業式を迎えるそうで。こうなってくるといよいよ春が来るという印象ですね。はよ花粉の季節過ぎてくれ。慧文塾の生徒達も中３生は受験を終えて、これで春期講習を終えたら学年が変わるというわけで色々と慌ただしくなってきています。入塾の募集も絶賛継続中ですよ。ご連絡ください。

さて。今回は英語の話をしましょう。

「脳ミソはどうやって英単語を忘れるのか」の話です。

 

いきなり脳の話というのもなんだか唐突な気がしますが、案外面白いんですよ？「脳と記憶のメカニズム」というのは。私が1番最初にそうした知識を得たのはTV番組、NHKスペシャルの「脳と心」という番組でしたがとても感銘を受けた記憶があります。その時に私が思ったのは「人間の脳とパソコンて似てるんだな」でした。
似てる、というか。そもそもパソコンというものが脳の構造を基にして作ったものなのだから当たり前なんですが、当時そういったことを知らなかった私はかなり驚きまして、その中でも私が最も驚いたのが、人間の脳の1番優れている点は、「なんでも記憶できること」ではなく「自動的に要らない記憶だけを忘れることができること」ということでした。

 

たとえば今日、がんばって英単語を覚えたとしましょう。
単語のスペル，発音，意味。全てを完璧に学習して記憶しました。

それらは一気に脳に刻み込まれて二度と忘れない……というようなことは決してなく、たとえ「完璧に覚えた」と思っていても、簡単には脳の内部に記憶されることはないのだそうです。

……正確には、脳の内部の『大脳皮質』に記憶されたモノは数年，数十年間，ひょっとすると死ぬまで記憶される究極の記憶なのだそうですが、実際は記憶というのはいきなり大脳皮質に刻み込まれるわけではなく一旦「記憶の一時預かり所」の『海馬』に記憶されるものなので、大脳皮質にちゃんと定着するまでは案外簡単に忘れてしまうのだそうで。

「海馬」は脳の下奥にあって見たもの，聞いたもの，触ったもの，嗅いだもの，味わったもの感じたこと，思ったこと，考えたことなど普段の生活の中であらゆる膨大な情報をものすごい早さで覚えていくことはできるのですが、それを全部大脳皮質に刻み付けると頭がパンクするのか何なのか、ともかく海馬はどっちかと言うと「忘れること」を主な仕事として，せっせと頑張って忘れているそうなのです。
外からガンガン入ってくる情報をドンドンため込み，「大事なモノ」と「そうでないモノ」に仕分ける作業をしているというと分かりやすいですかね？それも３０日くらいかけて……。

そして３０日くらい過ぎた頃，海馬は「大事なモノだけ」を大脳皮質へ刻み込みます。

海馬が「大事なモノ」と考えるのは，「間違うと死ぬ」とか，「ケガをする」「病気になる」「生きていけない」といった，生きる上で非常に大切な知識・記憶だけ。だから英単語なんか覚えなくても死んだりはしないから，海馬は３０日のうちにキレイに忘れてしまうのです。

勉強して覚えたことはたいてい勉強終了後４時間ほどで半分も忘れてしまうそうで。さらには２４時間後では７０％も消えてしまうんだそうなんですよ。

そしてそれは人類みな同じだそうで。頭がよさそうな人も，そうでない人も，みんなみんな，そうなのだそうです。自分でもどうすることもできないということですね。
これが「頑張っても，なかなか成績が上がらない」「覚えられない」正体なのです。
　

そかし実はこの海馬。「だます」ことが出来るんです。

そう，超大切な事しか記憶に残さない海馬に，英単語が超大切な事であると騙して思わせればいいのですね。実際それが可能だということは既に科学的に分かってきています。
海馬君の正しいだまし方……それは，「繰り返す」ことです。

海馬の記憶は４時間で約半分になる。そこで，もう一度，英単語を覚えさせる。
すると，海馬君の記憶は全部復活するのです。

そして。なんと次の４時間後は，１回目に比べて記憶が消えにくくなるのです。

そこで３度，同じ単語を記憶させると……
海馬の記憶は更に頑強なものになり、忘れにくくなり、そしてそのうちやがて３０日が過ぎ，めでたく大脳皮質へ刻み込まれます。何度も何度も覚えさせられるので、海馬はその情報が「よほど大切なことなんだ・・・」と勘違いしてしまうのですね。

 

海馬をだます唯一の方法。それをワタシ達は「復習」と呼んでいます。

だから復習は勉強終了後，できるだけ早い時間が「キキメ」が大きく「復習時間」も少なくてすむと言われるんですね。楽して勉強する「秘訣」と言ってもいいでしょう。

漢字・英単語・用語の勉強。今日の分は終わったからもう大丈夫。ではなく、しっかり復習を活用して覚えて、３０日でちゃんと大脳皮質に刻み付けていきましょう。