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1科目に絞るより全教科で勝負した方がラク。という話。

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1科目に絞るより全教科で勝負した方がラク。という話。

1科目に絞るより全教科で勝負した方がラク。という話。

2023/01/18

はい。中田です。

先日、大学の共通テストが終わりましたね。ここからいよいよ高校私立入試、中学私立入試、そして高校公立入試になっていきます。受験生にとっては最後の追い込みの時期になります。受験生の方々はここからもうひと頑張りしていきましょう。

さて。先日、ニュース記事にて『最近、中学入試で算数1科目入試が増えてきている』という記事を目にしました。確かに増えてきましたね。この20年の間に大学入試は様々な入試形態が取り入れられるように変わってきており、中でも1科目入試や2科目入試などの方式はかなり数を増やしてきていました。その流れが中学入試にも波及しており、さらに近年では「算数・数学ができる子は他の科目もよくできる」ということに注目して、また国の方針が理系に力を入れていこうという方向に舵を切っているからか、算数1科目入試は増えてきています。

なので、いつも通りブチかましてみますね。

 

それ、よく考えないととんでもなく危険じゃよ?

 

この受験方式、一見すると1科目だけ頑張れば受験に合格できると見えるためなんだかラクな気がしてしまいますが、そんなことは全くありません。むしろ、塾の先生としては(もちろん生徒にもよるけど)あまり積極的には薦めたくないのが本音だったりします。

理由としては2つありまして。一つには、いかにそれが算数といえども、世の中にはけっこう1科目勝負なら強いという子がいること。そして二つ目に、なんだかんだ言って算数において高いレベルの理解をするためには算数だけやって居りゃいいわけではないこと、ですね。

まず1つめの話ですが。世の中には案外「科目限定のバケモノ」というのはいるものでして。例えば私の高校時代には、メチャクチャ計算が早くてしかも3桁×4桁の計算が暗算でできる同級生が居ました。案の定大学受験では数学で無類に強かったですし、たとえ彼が小学生でも並んで受験したくはない相手でした。他にも、小6で高校レベルの日本史・世界史を習得してしまっている子とか小6で英検2級とってた子とかも居ましたし、とりあえずそれらを聞いて「え!凄い!そんな子がいるんだ」と思うなら、要注意です。1科目受験の勝負にはそういう子たちが少なからず集まる傾向が強いですし、それに、塾の先生として子どもたちを見てきた経験からすると前述の3人程度の子は「珍しいけどわりとよくいる」のが正直なところです。もちろん受験校のレベルにもよりますが、甘く見てはいけないのは間違いないでしょう。

そして2つ目の話なのですが。これはもう1科目受験の趣旨の点からもわかります。要するに「算数・数学ができる子は他の科目もよくできる」というのがポイントですね。高いレベルの算数・数学の問題は、当然ですがそのほとんどが文章題で構成されています。ということは、問題文を読むことで

①意味・訊かれていることを理解すること

②訊かれた問題文の内容から解答に繋げる解法をイメージできる

③必要な開放を知識と経験の両方の意味で使いこなせる

ことが求められます。ところが、高いレベルの問題でこれができる子ということは、つまりは考える力とイメージする力の両方が身に付いているということでして。算数の計算力だけでは1科目受験を課してくる学校のハイレベルな文章問題は太刀打ちできないでしょう。そして、それが解けるような子はその高い思考力とイメージ力を有しているわけですから国語も社会も理科もいざやらせてみると明らかに理解が早い傾向があります。だからこそ「算数・数学ができる子は他の科目もよくできる」という現象が起きるのですね。

そして、そういう子たちの中であえて1科目入試を選んで受験してくる子と言うのは、つまり「4科目(5科目)全部出来るけど、特に算数・数学が得意(好き)」という子なわけでして。

なんていうか……こう……わかりますかね? 隠しおおせない圧倒的な強者感みたいなものがそこににじみ出ているのが。そういう子が当たり前のようにライバルとして出てきます。

というわけで、結論です。

「私立に行き(行かせ)たいけど、今から他の科目を含めて勉強するのはとても大変そう。でも1科目入試なら可能性があるかも!」と考えるのは早計です。そういう時はまずは他の科目に苦手科目がないかを見てください。そこに苦手科目があるとしたら、次に、それは今のうちに直しておかなければならない基礎の部分に苦手要因があるのか、それとも応用の部分に苦手な要因があるかを分析してみましょう。

基礎の部分に苦手の要因があるとしたら、まずはそれを直すことが先決です。そうした基礎の部分が苦手なのは、理解と思考とイメージすることがスムーズに置く萎えてなくて起きているわけですから、それができずに1科目だからと安易に1科目入試に注力をした場合、おそらく相当苦しい戦いになると思われます。

ちなみにこれ、レベルや難度は違いますが大学入試の1~2科目入試でも理屈は同じなんで、知っていると後々でも役に立つかもしれません。

 

 

 

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