「あとでやる」をどうやって「今やる」に変えるか。
2022/12/16
はい。中田です。
慧文塾は来週から講習会が始まります。なので先生も今の時期は準備で大忙し。先生が忙しくて駆けずり回るから『師走』と呼ぶようになった説がありますが(先生ではなくお坊さんだという説の方が有力ですが)、どちらにしても今年のことは今年のうちにということなのでしょうね。美容室の予約とか月の頭の時点でいっぱいになってたりしましたし、この時期はどの職業の方も大変なんだと思います。
「できることなら、あと延ばしにしたいなあ」というのは誰しもが考えること。そこで、今日はあと延ばしについて話をしていきたいと思います。
「宿題をあと延ばしにしたいです」「ダメです」
この種のやりとりは、長期休暇になると家でも塾でもわりと頻繁に見かける光景です。でも、これってどうして「ダメ」なのか説明できますか?
説明するとしたらどうするか、考えてみましょう。
(うちの子はそんなことを言わない。という場合、その子はとても真面目か、もしくはとても頭がいい子です。褒めてあげてください)
①本人のためにならないから
これ、すごい言い易いんでついつい言っちゃう人も多いんですけど、実は何の説明にもなっていないんですよ。だって子どもたちは、そもそも今している勉強が将来何に必要になるのかも知りません。何につながってどういう風に自分の役に立つのかを知りません。そのため勉強に少なからず懐疑的なところがあって、だから「ちょっとくらいサボったりあと延ばしにしたりしても大きな影響はないのでは?」とか考えて遅延しようとしているわけです。それに対して「本人のためにならない」と説いても、子どもたちからすれば同じことを繰り返されているだけにしか聞こえないんですよね。
②後で大変になるのはイヤでしょ?
これまでにあと延ばしにしてきたことで何か苦い経験がある子には説得力のある言葉ですね。また同じ目に遭いたくない、というのは推進力には十分なものです。しかしそれはあくまでも過去にそれで痛い目に遭った経験のある子の話。なんだかんだでどうにかしてきた(どうにかできてしまった)子がこれを聞いたらどうでしょう。「いままで何とかなってきたし、今回もきっとヘーキヘーキ」と答えると思います。
③少しずつやらないと学習は身に付かないから
データや効率から説明する、いわゆる理系的説明ですね。個人的には大好きです。勉強というものが「理解して出来るようにするためのもの」である以上、宿題をすべてこなすことよりもそれを糧にすることの方がずっと大事なのですから、あと延ばしにして一度に終わらせようという本来の目的から外れた明らかに効率の悪いやり方はダメだという話です。完全に効率厨。問題は、子どもたちがこの説明で納得できるのかってことなんですけどね。
④いいから、やりなさい
君主制による強制力の発動ですね。一切の説明を放棄していますが、子どもたちはだからこそ仕方なく言うことを聞くこともままあります。特に低学年の子には効果があり、子どもたちは「そういうものか」と考えると同時に最低限学習習慣を身に着けさせるきっかけになります。ただし、子どもたちに自我がしっかりと芽生えてくるころになると、モチベーションの低下を招く諸刃の剣になるため効果は薄くなるようです。
さて。ではここで仕事に置き換えてみましょう。仕事でやらなきゃいけない業務があった時、
「あと延ばしにしたいです」と思うことってわりとあるとは思うのですが。どうでしょうか。
①君のためにならないよ
……ぶっちゃけちゃっていいですかね?私、おそらくですが上司にこれを言われても響かないと思うんですよね。そうかもしれないけど、あまりいい気はしないと思うなあ。
②後で大変なことになるのはイヤでしょ?
うん。そうだね。と納得せざるを得ないのは、自分がそれで痛い目に遭ったことがあるから。
仕事には必ず納期というものがあって、納期を守るのは最低限常識ではあるし、納期に対して優先順位を考えながらひとつひとつ片づけていくものだからこそ、後回しにすると大変なことになるのは間違いない事実。
④いいから、やりなさい
はい。仕事ですもんね。
というわけで。ここまででわかることですが。
……③がありません。それもそのはずで③だけが仕事に置き換えられないんですね。なぜなら③は「宿題を終わらせること」が目的ではなく宿題という形で「勉強をすることが目的」だと考えているからです。
やらなければいけないことに対して向き合う時に必要なのは、
・なぜそれをしなければいけないのか(目的・メリット)
・それをしなかった場合にどうなるのか(デメリット)
・複数の「やらねばならないこと」の中で優先順位はどのくらいなのか(優先順位)
なので、もしも子どもたちに勉強であれ家の手伝いであれしてほしいことがあるなら、まずはメリットとデメリットを解くことと、優先順位を考えるクセを日頃の生活の中で培っておくのがいいと思います。強制力はそれからでも十分なのですから。
私の中で散髪の優先順位は講習会より低いので、年内は私も美容室さんも忙しいようですし、年明けにでも行こうかと考えています。
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