学習計画表（スケジュール帳と作業進行表）

はい。中田です。

定期テストもとりあえず一段落して、中学三年生はいよいよここから受験まで走り切る態勢になっていきます。また、中学1・２年生、小学５・６年生はこのあたりからが本格的に勉強が難しいと感じ始める頃でしょう。イベントも盛りだくさんな２学期は兎角大変なものです。

そうなると大事なのは時間の使い方。というわけで、几帳面な人は学習計画表を作ったりして「さあがんばるぞ！」とかやる気を出したりします。

 

……すごいですね。残念ながらこれを書いている先生は全く几帳面ではないので、学生時代に自発的に学習計画を立てたことはありませんし、夏休みや冬休みの前に学習計画表なるものを学校で渡されて書いたとしても守ったことは一度もありませんでした。横軸に○日からテスト終了まで日付が付けてあり、縦軸は時間で区切られていたっけなあ。

ですが、これが仕事となると話は別です。どんな職業であっても仕事にはいわゆる「納期」を基準にして動きますから、「計画表や進行表を作って逆算で考える」ということが絶対必要になります。（少なくとも私がしたアルバイト、および塾の先生は間違いなくそうです）

 

ところがじゃ。ところがじゃよ。

学校で出されたり作らされる学習計画表を見ると
○日の○時○分から○時○分までは「国語」
○時○分から○時○分までは「夕食」
○時○分から○時○分までは「数学」
○時○分から○時○分までは「休憩」
○時○分から○時○分までは「社会」
などと
まるで学校の時間割のようにマスで区切られていくのはなんなんでしょうね。

いや。それはそれで構いませんが。学校から帰っての、あるいは長期休み中の勉強の時間割ができるのだから無いよりもあった方がいいのは間違いないのですが。

でも……ですよ？

そういう『進行表』を部下が作って持ってきたとして、上司であるアナタはOKしますか？

私はしません。

 

私「それで「計画を立てた」と勘違いしてはダメだ。それは『スケジュール表』というのだ。

そりゃあ目の前にキチンと書かれたスケジュール表があれば、なんだか予定どおりにプランが進みそうな気分にはなるが」

私「大切なのは「仕事の中身」だろう？どうやって納期に間に合わせるかが重要なんだろう？

その赤く塗った○○の時間に何の仕事をどのようにするのかが書かれていないじゃないか」

 

私ならこう言いますね。なんだか嫌な上司です。

でも、勉強も同じなんですよ。
 

仮に、計画表に「英語をする」内容は「単語」を書いてあったとして
いったい，教科書のどの部分のどの単語をどうやって覚えるのか。覚えたか覚えていないかは
どこで確認するのか。わかっているのか理解しているのか身につけられたのか。

「数学」と書いてあったとして
教科書を勉強するのかプリントの復習をするのか、塾の内容なのか学校の内容なのか、実際に全部解いてみるのか間違った問題だけ解くのか。解けなかったらどうするのか。

 

計画表の中の「勉強の中身」が見えなくてはそれはただのスケジュール帳の延長でしかなく、

「まだ時間もあるし～」などという不届きな考えが頭を持ち上げてくるものです。いやこれは仕事しているからホントよくわかる。人間て必ずそうなりますよね。ホントは先のことなんてたいして考えていないのに、目の前に「計画表」があるから、かえって先のことがある程度は見えているような気分になってしまう。

 

そのうえ、あまり集中しなくても時間というのはどんどん勝手に過ぎていってくれますから、１時間をぼ～っとして机に座っていれば、なんとなく１時間勉強した気分にしてくれる。

でも目の前の「計画表」サマはそれでも「計画表どおりやった気分」にしてくれたりします。

そのくせ後になって納期が迫ってくると

「まだ全然進んでない・終わっていない！どうしよう！わたし、こんなんじゃ全然だめだ！」

時間に追われるだけでなく、なぜか自信も失う副次効果付きで問題が表出するわけですね。

時間割だけの「計画表」は扱いが難しいんですよ。
もちろん時間割型計画表にもいいところはあります。休憩時間や睡眠時間をキチンと確保して規則正しい生活をするためには大いに役立つものです。でも、勉強をするという点においては納期を基準にして逆算で考える、お仕事の進行表のような考え方の方が効果はあるのではないでしょうか。少なくとも慧文塾はそういうプランで進めています。