塾の視点。国語のお勉強
2022/06/17
はい。中田です。
これまでに国語力とその重要さについて語り、先日もまた国語という科目について語ってきました。でも、このブログを読んでおられる方々が国語に関して一番聞きたいのはそういうことではなくて、むしろ今日の話なんじゃないでしょうか。
というわけで今日は国語の勉強法の話です。
いきなりですが、国語に似てる科目とは何か?と質問されたらなんて答えますか?
……社会、ですかね?同じ文系科目ですしね。
……それとも英語、ですかね?語学ですしね。
でも私は、生徒にそう質問されたら『体育だよ』と答えるようにしています。
けっこう意外ですよね。しかし、科目の性質と勉強法を塾の先生の視点を通してみると、案外似ているところが多かったりするんですよ。国語と体育。
というのもですね。国語って教わるだけじゃあ絶対に出来るようにならない科目なんですよ。
たとえば数学なんかは、先生が数学を生徒に教える手順を解体すると
「今日はこれをやるよ」
↓
「この問題を見てみて。これはどうやって解くかやり方を考えてみよう」
↓
「じゃあやり方を説明するね。やり方を聞いたら自分でもやってみようね」
↓
「終わった?それなら先生が実際にやってみせるね」
大体こんな感じだと思います。要するに、数学の問題というのは先生(もしくは教科書)がやり方を教えてくれるし、そのやり方をしっかり守って同じことをすれば必ず解けます。あとはそれが自分一人でもできるようになるため練習をする。それが数学の勉強なんですね。
ところが国語と体育はちょっと違っていて、先生のやり方を聞いて理解してもそのやり方で別の問題を必ず解けるかというと、必ずしもそうじゃない。もちろん説明を受けた問題はその場で解けるのですが、それ以外の問題に転用できるかというとそうではなく、むしろそのために最初のコツをつかむための練習が必要で、コツがつかめない限りは延々とわからない状態が続くという仕様です。
体育で例えますね。
「今日は逆上がりをやるよ」
↓
「じゃあ先生がやってみせるね。こうやるんだよ」
↓
「じゃあ自分でもやってみようね。蹴り上げる角度に気を付けてね」
こんな感じでスタートするわけです。先生のお手本を見ても勘のいい子でもなければいきなり一発で成功はできないんですよね、これ。コツをつかむことさえできれば以降は普通にできるようになるんですが、コツを掴めないとなかなか最初の一回が成功しなくてかなり心がしんどいやつです。……私がそうでした。国語もこれと同じで、先生がいくら華麗に問題を解いて見せてくれても生徒は「なるほど~」ってなるだけのことが多くて、次の問題は次の問題で相変わらず悩ませられる。そんな科目なんですよ国語って。
てことは、だ。あるんですわ。国語にも。コツが。(謎の倒置法)
テスト慣れした受験生や、それを潜り抜けた大人、あと読書と読解のどちらもしっかり習得している人は、自然と経験によりそのコツを身に着けてしまっているんです。ところが、本人は自然と身に着けてしまったがためにその自覚がないことがほとんどで、だからこそそういうお父さんお母さんは子どもたちがなぜ国語ができないのかわからなくて「もっとしっかりやりなさい」という根性論みたいなことしか言えなかったり、というのがよくあります。
だったら国語ができるようになるには、そのコツが何なのかを知ってつかんでしまえばいいってわけですよ。そしてオチから言ってしまうと、このコツの正体こそ、以前にもお話しした「着眼点」なんです。というのも、国語の文章は
・物語文なら、読んでて気になるとか楽しいとか感じさせる、読ませる工夫がある
・論説文なら、読んでてなるほどとか興味深いと思わせる、読ませる工夫がある
ように、必ず工夫が成されています。それは読み手に理解してもらいやすくするための筆者の技術ですが、ある意味ではそれらは「お約束」って姿で文中に紛れ込んでいるので、そこに着眼すればイメージしやすくなるのであっさりと理解に近づける。ということ。
・キャラクターが一人で下校中。どんよりした雲からぽつぽつと雨が……
このシチュエーションで主人公の気持ちが明るいことはまずありません。お約束です。
・一般的に○○は△△と思われているが、果たしてそれは正しいのだろうか?
どうやらこの筆者はそうは思っていないようです。思っていたなら、おそらくわざわざそんな一般的なことを本には書かないでしょうから。お約束です。
・「もう嫌だ!こんな犯人のいる洋館になんて居られるか!私は帰らせてもらう」
高確率で発言者は何かしらの犯罪に巻き込まれて命を落とします。本当に洋館から帰れたらそれ以降の話が面白くなりませんからね。お約束です。
そう。国語のお勉強とは、
文章の中にある「お約束」を文中から探す(これがコツ)
そのお約束にどういう意味があるのかを考える(これが問題のヒント)
そして得たヒントを活用しながら出された問題に答える。(解答)
その三つをトレーニングすることなのです。漠然と問題を解くだけでは国語の成績がなかなか上がらないのは、こういった性質を持つ科目だからなのですね。
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