国語とは
2022/06/14
はい。中田です。
これまで理科と社会の2科目を語ってきました。花形の英語と数学を最後に回すと言ったので、今回は「全5科目の中で一番大事な科目」、はっきり言えば、小中学生には最優先かつ最大限に取り組んでほしい最重要科目、国語の話になります。
では。いってみましょう。
さて。上で「全5科目の中で一番大事な科目」と言いましたが、正直これについて保護者の方がどう思っておられるのか、私自身とても興味があるのですがどうなんでしょうか。人によっては「いや、英語の方が大事だ」とか「数学の方が大事だ」と思っている人もいるのでしょうか?もしそうだとしたら、ここで断言しておきます。
国語の方が大事です。
Q,でも受験で合否を分けるのは英語や数学ってよく言うじゃない?そこんとこどうなの?
A,国語の方が大事です。
なぜって?そりゃあ理由は簡単で、
ここが日本で、人口構成において日本人が一番多い国だからですよ。
……説明しますね。
そもそも私達は普通に日本語を話していますが、どうやってこれを身に着けたのかというと、「生まれてすぐから親など周囲の人間が話す言葉を聞いて覚えた」んです。つまり、一見自然に身についたように見える私達の国語力も、ちゃんと『生まれた時からの繰り返し学習』によって得たものなわけですね。ところがそれがあまりに自然に身についてしまったものなので、私達は往々にしてそれが当たり前のように思ってしまいがちだったりもします。
このギャップはけっこう厄介で、例えば大人になると小学生や中学生の子供たちが使う言葉について「なんか子供っぽいしゃべり方だなあ」とか「幼い文章だなあ」とか感じたりしてしまうんですが、それは『繰り返し学習』が足りていないから起きていることなので鍛えなければ改善はしません。それなのになんとなく「いつかどうにかなる」気がしてしまっていたりする大人のひと、案外多いんじゃないでしょうか。
実際はたしかにいつかどうにかなることが多いんですが、その「いつか」の早いか遅いかには
かなりの個人差・偏りがあります。
また、国語力の中にも語彙力というのがありまして、これは新しい言葉を知識として得た後に自分で実際に使ってみて身についていくものなので、わりと意識して新しい言葉を使うよう心がけていかないとなかなか身につかなかったりします。(そのかわり逆に、意識せずとも日常的に高い語彙力を要求される環境に放り込まれたりすると、必要に迫られていつのまにか勝手に語彙力が上がっていた、なんてこともあったりもするんですが)
そんなだから。この語彙力ってのも当たり前に個々人にとんでもない偏りがあるんですよ。
これら2種類の個人差は、日常生活を送る上ではそんなに大きな差は見られないと思います。せいぜい「子供っぽい話し方だな」って感じる程度なんじゃないでしょうか。ところが、日常生活以外ではこの差はかなり大きく、特に大人になったとき
「この人の話は難しい単語が多くてわかりにくいなあ」と
「どうして自分の話がこの人には伝わらないのかなあ」
が発生するんですよ。前者は明確な語彙力不足、後者は相手のレベルに説明力を上下できない説明力の不足により起きる現象ですが、一応、これが起きにくくなるように、日本にはそれを補助する義務教育という仕組みがあり、小学校や中学校で最低限のレベルに国語力を伸ばせるようになっているんですね。「ちゃんと言葉は正しく使いましょう!『ら抜き言葉』はダメです」というのは語彙力と向き合うという意味でちゃんと意味のある大事な学習なわけです。
でもそれはあくまでも義務教育を終えての話。
渦中にある小中学生たちはまだ国語力を伸ばしている真っ最中なわけで。しかも大人になってもなお完璧に国語力の差をなくせるわけでもないわけで。ちゃんとちゃんと努力して国語力を伸ばさなければ上記のような「会話が通じない」状況がわりと良く起きることになります。
この国に住んでいる人で一番多いのは日本人ですから、国内の大多数の人間と会話が通じない状況になるのはけっこうピンチですよね。これが、国語が「全5科目の中で一番大事」と私が言った理由です。
では、その国語とはどのように向き合えばいいのでしょうか。
国語仙人:「今まで何度も言っとるじゃろ?まずは読書じゃ。」
それからそれから?
国語仙人:「単語力と語彙力を伸ばすのじゃ。新しい言葉を覚えたら、その後に自分で実際に意識してその新しい言葉を使ってみること。それは漢字も含み、新しい漢字が出てきたら覚えて、その漢字を実際に使って文章を書いてみるのじゃ」
漢字覚えるの苦手っすけど、でもそれだけで国語の成績は上がらないですよね?
国語仙人:「それだけでは上がらんよ。そこからさらに読解力を伸ばす必要がある」
……めっちゃ大変じゃないすか?
国語仙人:「だから、伸ばすのには時間がかかるし練度がものを言う科目なんじゃ。そもそも他の科目のテストだって『国語で』問題が出題されるんじゃぞ?英語や数学で合否が決まるなんてそんなわけなかろう」
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