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塾の視点。理科のお勉強

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塾の視点。理科のお勉強

2022/06/10

はい。中田です。

梅雨入りしまして、そろそろ次の定期テストも近づいてきました。慧文塾では定期テスト対策や学校の復習・勉強のコツを授業の中で伝えていけるよう日々邁進しております。興味がおありの方や勉強法でお悩みの方はどうぞご連絡いただければと思います。

 

さて。理科のお勉強について。後半です。

前回、異世界転生モノの漫画の話をしたので「なんのこっちゃ」と思われた方もいたかもしれませんが、このテの話でわりとよく聞く言葉があります。

「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」

 

これは小説家アーサー・c・クラークの言葉で、クラークの第三法則と言われるものですが、この言葉を見る限りはあくまでも『区別がつかない』というだけで科学=魔法ではない様子。クラークが本当はどう考えていたかは不明ですが、科学と魔法の違いって何なんでしょう。まあ一説では「完全に同じものだ」という主張もあるのですが、個人的に好きな説としては

『原理原則が周知されており、原則的に誰でも手順さえ守れば再現可能なのが科学。原理原則が不明だったり秘匿されてたり周知されてなかったりで使用者に制限があり、一般に再現不可能なのが魔法』

というやつですね。最初に誰が言った言葉なのかは知りませんが、色々な人が言ってるのでわりと一般的な説なのではないでしょうか。けっこう高名な理学部の教授とかも言ってますし。

そしてここからが本題ですが。ここに理科のお勉強の答えがあるの、わかります?

そもそも私たちはなぜ理科を勉強しなければならないのか。その答えが多分これなんですよ。

 

なぜ理科の勉強が必要か。

それは人類が皆、魔法(のような力)を使えるようになるためである。

そのためには

現象の原理原則を覚えて、理解すること。そして手順を守って再現を試みること。

 

それを当たり前にできるようになることが理科のお勉強なんですね。テストに出る問題をひたすら解いて解答を暗記するのも受験においてはもちろん必要なことなんですが、大本の目的が日本人全員が魔法使い(のようなもの)になることで、この国がそれを目標として科学技術発展の礎となる科学教育を推し進めているのだとしたら、暗記すればどうにでもなるようなテストを問題作成者が作るとは思いにくいですよね。

はい。昨今、数学や理科の大学入学共通テスト(旧センター入試)が難化傾向にあるだとか暗記だけでは対応できなくなってきただとか考える必要のある問題が増えただとかいう話が増えているのは、大体これが理由です。今年とかは特に平均点が低かったと話題になっていましたが、まあこう言っては何ですが、本職の塾の先生としては「いよいよ本気になってきたようだな」という印象です。

そしてこの流れ、間違いなく数年以内に高校入試におりてきますよ。今の小・中学生は今のうちから、ちゃんとした理科のお勉強を正しいやり方で身に着けておくべきなんじゃないかと、私はそう思っています。すなわち前述の

現象の原理原則を覚えて、理解すること。そして手順を守って再現を試みること。

 

塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると食塩水になる。これを中和って言う。

だったら硫酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜても飲める液体になるはずだ……

なんて、ちゃんと原理原則まで理解している人はまず考えませんよね。1行目で『現象』を理解しているという点では何も勉強してないよりは優秀ですが、結果だけを覚えている知識では応用は利きませんし、場合によっては危険です。

他に例えば、油火災に対して水で消化を試みるのは厳禁。というのがあります。

火災は水で消化するはずなのになぜ油火災では水は厳禁なのか。これも消化という現象の原理原則が理解できていればそう不思議な話でもないのですが、現象だけを覚えていたり原理が分からないと案外やってしまいそうな気がしますし、実際非常に危険です。

手順も大事ですね。顕微鏡の使い方は知っていても手順を守らなかったがために理科の実験でカバーガラスとプレパラートをもろともに砕き割ってしまったのは私です。先の火災の話でも手順を間違えると火災が大きくなったり、ガス漏れとかしてようものなら爆発の危険もあるわけですからね。魔力の暴走とかじゃないんだからそういう危険は知識と注意で防げます。

 

……はっ!

薬品(水溶液)の知識に長け、生物の性質や特徴に詳しく、地質や天体に詳しく、さらには物理法則を理解して扱うこともできる。例えば火を操り制御するとかももちろん可能。

こりゃあどこからどう見ても立派な魔法使いですね。皆様も原理原則をしっかり理解してしっかりと手順を守って、ぜひとも善き魔法使いへの良き第一歩を踏み出してみませんか。

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