語彙力の育て方。のお話。
2023/10/04
はい。中田です。
10月になりましたね。みなさん定期テストの勉強は進んでいますか?10月はどの学年でも9月以上に勉強が難しくなりますし、学校の行事もけっこう詰まっています。忙しいとは思いますが、毎日の勉強をしっかりと継続することで、勉強に遅れを発生させないよう気を付けてながらやっていきましょう。
さて。今回は、前回の語彙力に関しての話の続きになります。説明するにも理解するにも必要ということが分かった語彙力ですが、どうすれば伸ばすことができるのかについての話です。それでは早速いってみましょう。
【語彙力の育て方】
語彙力ってどうやって育てたらいいの?という質問をよく受けます。でも、そもそも語彙力を上げるということは知らない言葉を覚えて使えるようになるということですから、どこかで知らない言葉に触れて、その意味を知らなければなりません。例えば、赤ちゃんは生まれたばかりで何も言葉を知りませんが、お母さんやお父さんが声をかけてあげることでその言葉に触れて、やがては自分も使ってみるようになります。知らない言葉なので最初はその言葉の意味を間違えて使っていたりすることもありますが、少しずつ理解してちゃんと言葉が使えるようになる。私たちはそうして言葉を扱えるようになってきたわけですね。
ですから、知らない言葉はお父さんやお母さんに教わることが多いのですが、そうはいってもお父さんやお母さんも万能ではありませんし、みんながみんな語彙力に長けているということもありませんから、このやり方には限界があります。
そこで推奨したいのが辞書を活用する方法です。知らない言葉に触れる機会としては新聞や読書もなかなかなのですが、やはり語彙力に限定するのであれば1番優秀な教材は辞書だと思います。
では、具体的に見ていきましょう。
①どういう辞書がいいの?
お答えしましょう。これは間違いなく、自分の学校のワンランク下の紙の辞書です。
小学生なら幼稚園児用、中学生なら小学生用、高校生なら中学生用の辞書を選ぶのが最適になります。「僕は中学生だから中学生用のを」とか考えて選んでしまうと、案外想像しているよりもはるかに多くの知らない言葉の波に呑まれてしまい、その結果波に呑まれた経験がトラウマになって辞書を開くのが怖くなります。ホントです。広辞苑とかのブ厚い辞書を最初に子どもたちに与えると、よほど元から言葉好きな子でもなければずっと開かないままになりますよ。
ですから、子どもたちには少なくとも半分以上の言葉はちゃんと知っている辞書を選ぶ必要があります。大人は知らない言葉を調べるために辞書を引くのであって、語彙力を増やす目的では辞書を使わないため、この「言葉の波に呑まれる」ということを案外失念してしまうのですね。気を付けてあげるといいでしょう。
②どうやって読めばいいの?
今回の使用目的は語彙力を上げることですから、知らない言葉を調べる使い方とは使い方も違います。まずはア行から、読み方と意味の部分を隠して、単語だけを見て意味を言い当てていきましょう。意味があっていたらOKのしるしにマーカーを引きます。
逆に、意味が分からなかったり間違えていたりした語には何もマークはせず、ちゃんと覚えることを意識しながら進めていきます。
これを最後までやれば、とりあえず辞書を1回読み回したことになりますね。けっこう手間ではありますから毎日20語とかのペースでちゃっちゃと進めていくのがいいです。自分の学校と同格の辞書を使っているとこの段階でやる気を失ってしまう子も居たりしますが、①で言ったワンランク下の辞書を使っているなら大丈夫。ここは踏ん張りどころですから少しずつでもいいので進めていきましょう。
③2週目からが本番
1週目で分からなかったり間違えて覚えていたりした語を、もう一度言い当てていきます。この段階で覚えていないこともよくありますから言い当てられなくても気にしないでください。それよりも、ここでもう一度間違えてしまった語は3回声に出しながら説明を読み、ちゃんと覚えるようにしましょう。難しい語があるというよりは、「あんまり使ったことない言葉が多いなあ……」くらいで、聞いたことはある言葉も多いはずです。1週目でもやった内容ですししっかり覚えていきましょう。
④覚えた言葉は使ってみよう
さて。多くの子は勉強時間というと学校から帰ってきた後、特に夜に勉強をしている子が多いと思います。そうなると、この辞書を使った語彙力強化法も夜のうちにやることになるのではないでしょうか。そこで、この勉強をしてから24時間以内に、前日夜に学んで覚えた言葉を使ってみます。できれば3つくらい使えるといいですね。同級生よりも、学校の先生やお父さんやお母さんを相手に、話すネタを考えて無理やりにでも使ってみましょう。結構ネタを考えるのが大変ですが、その経験もいずれは国語力の面で役立つのであきらめず頑張りましょう。
ちゃんと使えたと思ったら、辞書にマーカーを引きます。3つ使いこなせたなら、前日に覚えた他の語も多分大丈夫なはずです。マーカー引いちゃって大丈夫ですよ。
⑤次に進む
辞書が全てマーカーでいっぱいになったら、次の辞書に進みます。小学生は小学生の辞書を、中学生は中学生の辞書に進むわけです。そこからのやりかたも同じでOKです。
しかしこちらは今までの辞書とは難易度が桁違いですから、じっくりと腰を据えていくことが大事です。始める時期で苦労は全然変わりますが、長い目で見れば最終的には高校2年生までにクリアすればいいので、そのつもりで進めていきましょう。中学3年生は受験で忙しくて大変でしょうが、気分転換のつもりで出来るところまででも頑張るといいですよ。
いかがでしょうか。わりと長期的な学習になりますから、勉強の前の準備運動のひとつとしてやってみることをお勧めします。
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